抄録
近年、安心して利用できるはずの公園が犯罪やいたずらの多発する場所の一つとなっている。そのような状況から、公園利用者は公園を利用する際、何らかの不安を感じているものと考えられる。そこで本研究は、まず初めに、主な公園利用者である児童の保護者の意識から、公園における不安感発生要因を探索的因子分析により「視線の欠如」、「領域性の欠如」、「秩序の欠如」の 3因子に分類した。さらに、実際の公園において「視線の欠如」に関する項目が不安感発生に大きく寄与していることを明らかにした上で、「視線の欠如」を補完する力として、「公園利用者の監視力」、「沿道人通りの監視力」、「建物からの監視力」を挙げ、それらを説明変数として、公園内における不安感喚起地点を予測するモデルを構築した。その結果、本モデルは良好な再現性を実現することができた。