抄録
本研究は、群馬県山村集落六合村の文化的景観に関するものである。その歴史的なルーラル・ランドスケープは、特別に際立った性質のものではないけれども、本研究のアプローチは、その歴史的な農地景観について注意深く考察したものである。研究の最初は、江戸、明治、昭和、現代、それぞれの時代の景観について、絵図、土地台帳、地籍図からその土地利用について分析を行った。こうした過去における土地利用分析は、現代の地図の上に、古い絵図をデジタルデータ化し、重ね合わせることで作成することで、実施できた。こうした過去の地図との比較によって、220年間にどのようにランドスケープが変化したのかを理解することができる。本論の結論では、赤岩地区全体の文化的景観資源の分布を地図上で明らかにすることができた。また、その結果から、歴史的なランドスケープの保全とマネージメントに必要な配慮と提案を行っている。