都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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非線引き用途地域の縮小に関する研究
岩崎 幹子岩本 陽介松川 寿也中出 文平樋口 秀
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.1 巻 p. 136-143

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抄録

過大に指定された非線引き用途地域は、人口減少に併せて見直す必要があるが、縮小後に土地利用規制が講じられないため、線引き都市計画区域での逆線引きと異なる検討が必要である。そこで本研究では、非線引き用途地域を縮小した自治体を対象とし、用途地域縮小後の実態を明らかにすることで、人口減少社会下でのその縮小のあり方を提示する。その結果、非線引き用途地域の縮小は、人口フレームを重要視しておらず、その縮小理由も過大な指定を見直すというよりは、圃場整備事業の導入や新規に用途地域を拡大するための見返りとして取り組まれている。更に、縮小後の土地利用規制も、圃場整備事業の導入などを動機として取り組まれている他、縮小後の農振除外による開発も確認された。そのため、線引き都市計画区域と同様に、人口フレームの下方修正と併せた定期的な指定範囲の見直しが必要であり、実効性のある縮小後の土地利用規制措置が必要である。 

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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