抄録
この論文では、年齢階級別人口データを用い、千葉県浦安市を対象として、商業・医療施設へのアクセシビリティと高齢者の居住パターンの関係を分析する。第一に、アクセシビリティと人口密度との間の比例関係を仮定した上で、高齢者の商業・医療施設に対するアクセシビリティが距離に応じてどのように変わるかを検討する。その結果、アクセシビリティは道路に沿って測られる距離に応じて、負の指数関数的に減衰すると推定される。第二に、アクセシビリティに比例すると仮定されている人口密度が、高齢者とその他の年齢層ではどのように異なるかを明らかにする。そして、高齢者が商業・医療施設近辺に居住する傾向にあることを示す。第三に、人口密度とアクセシビリティの比例関係が成り立たない場所を見出し、そうした場所の特徴を明らかにする。