都市計画論文集
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東京戦災復興区画整理事業にみる広場状空地の出自とその背景に関する研究
西成 典久
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2007 年 42.3 巻 p. 409-414

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抄録
本研究は、東京の戦災復興区画整理事業で交通の要衝ではない場所につくられた矩形の空地(本研究では広場状空地と呼ぶ)に着目し、東京戦災復興区画整理事業で試みられた広場状空地の全容を明らかする。そして、それらの出自とその後の経緯を明らかにしたうえで、それらがどのような意図で試みられたのか、その事業的背景を考察する。結論は以下のとおりである。・東京の戦災復興区画整理事業6地区(麻布十番、錦糸町、五反田、大森、池袋東口、新宿歌舞伎町)で交通のためではない広場状の空地が創出された。・6地区全ての広場状空地は、従前それらの空地を創出するための積極的な理由は見当たらず、新たな意図をもとに計画設計されたといえる。・麻布十番、新宿歌舞伎町、池袋東口に創出された広場状空地は、人が集う賑わいの場として計画された。その他、錦糸町、五反田、大森については、残された資料からその計画意図は読み取れなかった。
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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