都市計画論文集
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台東区における寺町の道路と街区と寺院の歴史的変遷に関する研究
台東区全域と谷中・浅草を事例に
北岡 勝江宮脇 勝
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2008 年 43.2 巻 p. 1-10

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抄録
本論文は、東京で最も寺院が多い地域である台東区を取り上げ、歴史的な寺町の景観を創り出した土地利用特性を分析している。寺史文献資料と88枚の歴史的な地図、3枚の火災保険地図、道路登記名簿に基づき、道路、街区および寺院を地図上にデーターベース化して、その歴史性を詳細に比較分析した。その結果、1)震災や戦災の影響が少ない谷中地区には、江戸時代からのものが集中して残っている。台東区全体で、わずかであるが2%の街区と道路と寺院が、江戸時代のものとして谷中地区に現存している。2)関東大震災の後、区画整理事業により台東区全体の71%の街区が新設され、細分化された。3)寺院は、台東区内に起立した全550寺院のうち、73%が台東区内に現存し、全体の半数近い253寺院(46%)が江戸時代から残っている。4) 地区別の特性を取り上げ、谷中地区と浅草地区の違いを図とデータで示す等、歴史的特性を明らかにしている。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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