抄録
本研究は首都圏の都市鉄道において、駅、駅前広場の交通結節点と周辺のまちづくりが連携して整備された先進的な事例を採り上げ、現在の時間軸に焦点をあて、利用者評価の視点から事後評価分析を行った。はじめに、駅まち空間(駅、駅前広場、駅の周辺地区を包括した空間)の連携整備事例を抽出し、整備主体に基づき分類を行った。次に分類結果に基づき、事例数の多い鉄道主導と行政主導の両グループにおける代表駅をケーススタディとして選定し、利用者による事業目的の達成度評価、整備施策メニューの評価について考察を行った。続いて、駅まち空間の総合評価と整備施策評価との関連性について共分散構造分析により、利用者意識モデルを構築し比較分析することで、整備施策評価の構造及び連携整備推進にあたっての課題を明らかにした。