抄録
北海道の小規模自治体では、小学校の廃校が進んでいる。これらは、地域コミュニティの中核施設であり、廃校後も地域にとって有効に活用されることが望まれている。本論では、廃校利用のプロセスを明らかにすることで、地域にとって有効な廃校利用の方策を示すことを目的とする。研究対象は62校であり、アンケート調査を実施した。この中から、2事例の民間事業者による廃校利用プロセスを詳細に分析した。分析の結果、再利用に向けて自治体が積極的に関与すること、廃校利用を地域の活性化計画の中で位置づけること、住民との関係を持った施設運営が重要であること、等を明らかにした。