2010 年 45.3 巻 p. 385-390
非日常な場所の使い方は、その体験者が場所に意識をむけ、新しい関心や愛着持つことへと繋がる。つまり、魅力的な場所には、空間的な要因だけでなく、そこが上手く使われていることが必要である。このような視点から、本研究では、日常の都市の中でパフォーマンスアートを展開しているプロジェクトであるStreet Art-plex KUMAMOTOを対象に、その使い方と場所の空間特性を具体的に記述し、その関係について考察を行った。体験者の記した事後レポートの記述を分類することで、場所の見方やパフォーマンスの違いによる使い方の評価を示した。さらに、会場を4種類に大別し、それらの典型例について使い方から空間特性を考察した。その結果、周囲と切り離されているか、繋がっているかという視点による、使い方と空間特性との関係を明らかにした。