J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

都市計画論文集
Vol. 46 (2011) No. 2 P 125-131

記事言語:

http://doi.org/10.11361/journalcpij.46.125


本研究は、高齢者の現地と地図の対応能力について、地図上に示された位置・方向と写真で示された光景を合致させるという空間的作業を通して実証的に調べた。高齢者88人と若齢者26人のデータを構造方程式モデルを用いて分析したところ、現地と地図の対応能力は年齢に影響され、その直接的影響は、老化度に対する自己評価を通した間接的影響よりも大きいことがわかった。このことは、一般的な身体的老化に伴う困難のみではなく、高齢者がまちでの位置把握に対して感じる心理的な困難を理解し、案内情報の効果的な提示の方法を考えることが都市計画においても重要であることを示している。また、地図利用経験と地理的知識が現地と地図の対応能力に影響を与えていることもわかり、日常的に歩き回ることのできる都市空間を創造し、経験や知識を増やすことを補助することにより、高齢者の空間能力・行動を促進し得るという効果があることも示唆している。

Copyright © 2011 公益社団法人 日本都市計画学会

記事ツール

この記事を共有