フランスでは、2010年6月に新たに「グラン・パリ法」を制定し、パリを中心とした都市圏の国際競争力強化に向けた国の主導性を明確に打ち出したところである。フランス政府はグランパリ法を制定し、国が主導しつつ地方との合意によりプロジェクトを推進する手続きを定め、この中で期限を明示することにより調整の長期化を回避した。この結果、本年1月にはグランパリ計画の一部について、国と地方が合意するに至った。本研究は、フランスにおけるグラン・パリをめぐる最新の動向を把握することで、わが国における大都市圏の国際競争力の強化の取り組みへの示唆を得るものである。