本研究では電話帳データベースを用いて、2000年・2005年の東京における商店街の空間範囲の推定を行っている。商店街のモニタリングには公的な統計が使われているが、更新頻度の低さや市区町村単位やグリッド単位などデータの集計単位が大きいために商店街の急激な変化を反映しきれていない。そこで本研究はカーネル密度推定法を用いて商店街の空間的範囲の決定方法を示すものである。カーネル密度推定法はさまざまな分野において利用されているものの、商店街のような商業研究に応用した既存研究は少ない。本論ではカーネル関数におけるバンド幅及び商店街の店舗密度の下限を決定する方法についても述べる。