本研究では、歩行者の回遊行動を誘導できる可能性を有する空間として通り抜け空間に着目する。通り抜け空間とは、中心部にある街区を貫いて移動することができる、車両の通行できない空間であり、主要な通りと裏通りを結ぶ、路地のような空間である。研究対象地域は大分県大分市の中心市街地とした。第一に、対象地域における通り抜け空間の抽出と長さや幅員、高低差、店舗密度といった空間的特性を綿密に調査する。その結果を用いて類型化をすることで空間の特性を類型化し整理する。次に、通り抜け空間に立地する店舗の経営者や来街者にアンケート調査を実施し、通り抜け空間の印象評価や改変希望の内容を把握する。これらの結果、類型ごとの通り抜け空間の改善に関する有益な知見を明らかにした。