都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
都市郊外部における人口減少地区からの撤退の最適タイミング
清水 健太佐藤 徹治
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2011 年 46 巻 3 号 p. 667-672

詳細
抄録

近年、わが国では、農山村部の限界集落のみならず、都市郊外部においても人口減少地区からの撤退が現実的な政策課題として浮上している。本稿では、都市郊外部における高齢化および人口減少が進展しつつある住宅団地からの撤退の考え方、撤退に伴う様々な費用(例えば、引っ越しに伴う金銭的・非金銭的費用に対する住民への補償金)と便益(例えば、撤退団地の住宅やインフラの維持管理費用および建て替え・大規模更新費の節約)を整理し、撤退の条件および撤退の最適タイミングの算出方法を提案している。提案した方法を千葉県船橋市の2つの郊外住宅団地に適用したケーススタディの結果、一方の住宅団地の住宅建て替えのタイミングに、当該団地の全住民がもう一方の住宅団地に移住することが社会的に望ましいこと等が示された。

著者関連情報
© 2011 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top