都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
ドイツ・ヘッセン州の地方小都市の建築デザイン・コントロール手法の調査研究
歴史地区の整備事業における建築専門家の建築デザイン決定への関与と課題
北尾 靖雅
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 48 巻 3 号 p. 1083-1088

詳細
抄録

本論文は、小規模な都市の歴史地区のためのデザイン・コントロールシステムとその現在の課題を建築文化的遺産の観点から議論する目的である。この議論を展開するために、景観形成の先進国であるドイツのヘッセン州の3つの小規模の都市を対象に調査研究を実施することとした。そこで、3つの都市の歴史地区の景観形成に貢献している技術官僚や建築家にインタビューをし、以下の課題を調査分析した;1)デザイン・コントロールシステムのタイプ、2)デザイン・コントロールシステムの背景、3)歴史地区の建築物の改修事業の実例を調べた。その結果、歴史地区のデザインコントロールに関する重要な論点が現在のアーバンデザインの方法にあり、専門家(文化的な遺産を含む)とクライアントの間における議論の重要性が歴史地区の真正性に関連している事を把握した。ドイツの小規模都市の事例から今後のデザイン・コントロールシステムを検討する事ができるといえる。

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top