本研究では都区部におけるUR賃貸住宅団地が有する団地屋外空間を取り上げ、URによる団地屋外空間設計手法が持ちうる課題を抽出することと、団地屋外空間が地域内で活用される実態の把握を通じて今後の団地屋外空間への設計指針への示唆を得ることを目的としている。団地屋外空間の設計内容と活用実態について、地区内の複数の遊び場と対象地を比較すること、対象団地における設計内容と活用実態の比較検討をする際に団地敷地内における配置計画に着目することによって、団地屋外空間が団地居住の児童のみならず周辺地域児童にとっても活用できる遊び場である可能性を検討する。調査結果からは、都区部におけるUR賃貸住宅団地には公的機能・配置を有する屋外空間が豊富に存在し、地域資源として貢献できる可能性があることを把握した。活用実態としては、UR所有の屋外空間であったとしても団地全体の配置計画上団地外居住児童による利用が活発となる場合があり、そのために設計時の利用構想内容と活用実態に齟齬が生じうることが明らかになった。