2013 年 48 巻 3 号 p. 693-698
持続可能な発展が期待される都市型社会においては、多様な主体の存在を認識し、地域や地区の決定を自治体の権限によって支える参加制度が重要である。こうしたなか、フランスでは1980年以降、参加制度が創設されてきている。なかでも、パリ・レアル地区という大都市中心部の再開発プロセスにおいて運用されているコンセルタシオンを中心とした参加制度の様態とその運用は、都市型社会の参加制度を検討する上で示唆に富むと考えられる。そこで、本研究は、フランスにおける参加制度に関する動向を考察した上で、レアル地区の再開発プロセスを対象として、コンセルタシオンを中心に参加制度の運用実態を明らかにすることを目的としている。