2015 年 50 巻 3 号 p. 1098-1105
本報告は、シンガポールにおける都市づくりのコンセプトが“ガーデン・シティ”から“シティ・イン・ア・ガーデン”へと展開したことに対応して、緑地計画の内容ににどのような変化があったのかを明らかにしたものである。“ガーデン・シティ”から“シティ・イン・ア・ガーデン”への転換期に策定された3時期(1991・2001・2011)の都市計画書を対象に、計画構成要素の分類を行うことによって3時期の計画内容を比較し、その変化の特性を探った。その結果、対外的な施策から国内を意識した施策へ転換していること、GCの施策では都市の緑化促進や個々の公園を整備するための土地の確保に重きが置かれていたものが、CGでは既成市街地の再生による効果的な緑地の配置や既存の公園を連結するパークコネクターという概念を導入することで、全土的な緑道システムを確立し、公園緑地のネットワークを充実、強化する方向へと変化してきたことなどの変化が確認できた。