都市計画論文集
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都市開発の連携による歴史的文脈の保全・再生とエリアマネジメントの役割に関する研究
- 日本橋室町東地区開発と本町二丁目特定街区を事例として -
雨宮 克也瀬田 史彦
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2015 年 50 巻 3 号 p. 1252-1257

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抄録

昨今、東京都心部では都市開発による地域の歴史的文脈の保全・再生となる社寺地とその周辺環境の整備などの実践がされているが、これらは大規模かつ総合的な計画のもとに実施されるのが一般的である。一方で東京都心部では権利の細分化により都市開発の規模は小さく時期も異なる傾向にある。そのため今後都市開発による地域的文脈の保全・再生の実現は難しくなると考えられる。東京都中央区日本橋周辺は典型的な既存都市域であるが、この地域内に昨年秋、地元に1100年以上鎮座する福徳神社の社殿が再興された。その隣接では神社と一体化する(仮称)福徳の森が計画されている。これらは事業も時期も異なる2つの都市開発の連携により整備されるものである。同時に、日本橋は複数のエリアマネジメントが持続的に活動する地域の特性を有するエリアである。本研究の目的は、この福徳神社再興と(仮称)福徳の森が実現された事実関係から、都市開発とエリアマネジメントの関係性が地域の歴史的文脈の保全・再生を実現するひとつの手法となり得ることを立証することである。

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© 2015 公益社団法人 日本都市計画学会
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