都市計画論文集
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サテライト型スマートタウンへの電力の運び方
電気自動車が電線を代替する可能性
一井 啓介御手洗 陽谷口 守
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 55 巻 3 号 p. 569-576

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抄録

近年,分散型電源の活用に向けてスマートタウンの検討が行われているが,それらの多くは街で不足する電力を系統電力から賄っているという課題がある.そこで本研究では,街から離れた分散型電源から不足する電力を賄う「サテライト型スマートタウン」の実現に向けて,分散型電源から街までの電力輸送に自営線に代わって電気自動車を用いることで,電力輸送にかかるコストを削減できる可能性を検証している.その結果,以下のことが示された.1) 分散型電源から8km程度離れ,かつ世帯数が100世帯未満の街で導入可能性が高いこと,2)直流電力の活用など技術革新によって導入可能性は大きく向上すること,3)蓄電容量の大きい電力輸送EVよりも低コストの電力輸送EVの方が活用可能性は高いこと.

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