都市計画論文集
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津波災害リスクに対する意識と居住選択・交通手段の関係の実証分析
坂本 淳
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2020 年 55 巻 3 号 p. 836-842

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抄録

本研究は,中心市街地の広範囲が津波浸水想定区域となる都市においては,津波災害リスクに対する意識が高い者ほど,そのリスクおよび公共交通の利便性が低い郊外に居住し,自動車に依存した生活になる傾向にあるという仮説を立て,それを検証することを目的とするものである.高知市における住民の居住実態,津波災害リスクに対する意識,家族の日常の交通行動,および転居前後の交通利便性を把握する調査を実施し,得られたデータを分析したところ,本研究の仮説を支持する結果が得られた.定量的な分析の結果,防災面を重視して,以前の居住地よりも郊外の居住地に転居した者の割合は,それを重視していない者と比較して28%高いことが示された.

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