2021 年 56 巻 3 号 p. 555-562
非三大都市圏の大学に在学し在学時に親元を離れて大学周辺に居住した経験を持つ、現三大都市圏居住者を対象に、卒業大学周辺地域における在学時の生活、同地域への現在の地域愛着、同地域に対する貢献行動意図の三者の関係を明らかにした。インタビュー調査(n=10)とウェブアンケート調査(n=442)で得られたデータを分析した結果、以下のことが明らかとなった。(1)在学時や現在に卒業大学周辺の地域との関わりが多い人は、現在の地域愛着が強い、(2)現在の大学周辺地域への地域愛着が強い人は、その地域への貢献行動意図が高い。これらの結果は、地方大学卒業生が遠隔の都市部から地域貢献を行うことができる可能性を示している。