都市計画論文集
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自治体における生産緑地や郊外農地の位置づけと取り組み内容に関する研究
自治体アンケートを用いて
坪井 志朗
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2022 年 57 巻 3 号 p. 501-507

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抄録

市街化区域内の防災、都市環境の保全の必要性から、市街化区域内農地を保全するために、1991年に市街化区域内農地を「宅地化する農地」と「保全する農地」に区分された。しかし、特に地方都市においては、市街化調整区域、もしくは用途白地地域が市街地から比較的近距離にあり、市街地近郊に優良で広大な農地が広がっているため、市街化調整区域や用途白地地域の農地が市街地内農地の役割を担っていることが考える。本研究では、自治体特性による生産緑地と郊外農地の活用の違いに関する知見を得ることを目的とし、自治体アンケートを用いて、農地の位置づけや取り組み内容について分析した。その結果、都市規模が大きい自治体の方が生産緑地を保全する傾向にあること等、主に都市規模による農地の位置づけの違いを示したことで、全国一律的な方策ではなく、自治体の意向に即した農地の活用方法を検討する必要があることを指摘している。

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