2022 年 57 巻 3 号 p. 728-735
本研究は福岡市郊外の経年化した戸建住宅地を対象とする。住宅の供給方式の違いが、建物更新の実態と建物更新の起こりやすさに影響を与える要因について明らかにすることを目的としたものである。土地のみを売る方式(a)によって建設された住宅地の方が戸建住宅と土地を同時に売る方式(b)に比べ、建物更新が起こりやすいことを明らかにした。さらに①柔軟に敷地面積を変えられること、②街区の角地に位置していること、③前面道路との高低差が小さいことが更新の起こりやすさに特に影響していることが明らかとなった。(b)タイプの住宅地においては、住宅の賃貸化が進んでいる。(a)タイプの住宅地では、住宅の建設のタイミングが多様であり、建て替えの際に敷地分割が生じていることが多い。