都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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目撃者の意識からみた公共空間での特定利用形態に対する寛容性の探索的検討
スケートボードをケーススタディとした公共空間利活用
笹尾 和宏大庭 哲治
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 57 巻 3 号 p. 895-901

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抄録

本研究は、公共空間における特定の利用形態に対する目撃者の寛容性を高めるためには、どのような対応方策が有効かを展望し、どのような点に留意すべきかを明らかにすることを目的としている。スケートボードをケーススタディとして新聞記事を用いた文献調査、社会実験の目撃者へのアンケート調査を行い以下の知見を得た。1点目は、スペースの美観や他スペースへの波及可能性に関連する対応方策がスケートボードの目撃者の寛容性を高めるために有効である可能性が示されたことである。2点目は、特定の利用形態に対する目撃者の寛容性を高める上では、社会一般的な課題とは異なる課題を見出し改善することが有効であることである。3点目に、公共空間における特定の利用形態が持続可能であるためには、好意的に捉えられるための対応策だけでなく、寛容度を高めるための対応策も別途重要であることである。

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