2023 年 58 巻 3 号 p. 1195-1202
災害後の住宅再建は重要な課題である。持家を自力再建出来ない被災者に対しては、地方公共団体によって災害公営住宅が供給される。災害公営住宅の必要戸数を計画するために、被災者の住宅再建意向調査がくりか襟実施される。しかし被災者の意向はその時々の状況に応じて随時変化する。本論文では災害公営住宅への入居意向に着目し、意向の推移や変化の実態について明らかにする。宮城県南三陸町の意向調査の分析より次のようなことが明らかとなった。1)個々の被災者の意向は調査のたびに変化するものであり、調査と調査の間で30%の世帯の入居意向は変化している。2)小規模な無職の世帯の場合に途中で意向が変化しやすい状況がみられる。