下位問題に内生性を考慮した経路選択モデルを据えた,駐車場位置の最適化に関する二段階最適化問題を地方都市の中心市街地において検証した.軌跡データを用いたパラメータ推定と,多目的最適化問題の求解を行い,歩行経路と自動車の走行では歩行の負の効用が相対的に高く,目的地と駐車場を近くに配置することが最適戦略となりやすいこと,歩行者専用空間は正の効用を示すが,効果的に配置できなければ社会的厚生が悪化することがあることが明らかになった.大規模な歩行者空間化によって車から歩行へのモード転換が促進され,混雑が緩和し,車での来訪者の総効用が増加する可能性があることも示唆した.