抄録
本研究は、交通ネットワークの評価指標としての相対時間距離を用いて、新幹線の開通が全国の鉄道ネットワークをどのように変化させてきたか、および現在進行中の整備新幹線計画は国土をどのような形に変えようとしているのかを分析したものである。ここで相対時間距離とは、地形図と時間距離図を重ね合わせた結果を数量的に現す指標である。分析に際しては、1965年から現在までの5年毎の主要39都市の東京からの実時間距離(所要時間)および新幹線整備計画をデータとして、その推移を示すとともに相対時間距離の変化を数表および時間距離図で示した。その結果、新幹線整備がもたらす日本列島の時間距離図の変化の様相を数量的、視覚的に明らかにすることが可能となった。