抄録
発展途上国においては社会経済属性の変化が非常に急激であるため、個人を経年的に追跡した質の高いパネルデータを用いて社会経済属性の変化や交通行動分析を行うことの意義は大きい。本研究はマニラ大都市圏を対象に、パネルデータを用いることによって個人の通勤交通手段変更と勤務地移動をログリニアモデルにより分析し、それぞれの変化の要因を明らかにした。また、個人の交通機関選択行動についても非集計ロジットモデルを用いて検討した。クロスセクション分析に比して、パネルサンプルをプールして推定した方がパラメータ推定値の時間的安定性が高いことが確認された。