1996 年 13 巻 p. 217-224
今後の日本では地域に縁のある人口を考慮した地域開発が一つの鍵になると考えられる。そこで、本研究では地域に縁のある人口を考えるにあたって、本籍人口に着目し、都道府県別に本籍人口と居住人口の相互関係、地域特性を示す指標との関連性を分析した。
その結果、都市化されて所得が高く、住民の地域愛着意識が低い地域ほど、本籍を置かずに居住する比率が高いなどといった傾向が確認できた。また、西日本では居住地は離れても縁のある地に本籍を置き続ける人が多いことなど地域的な特徴も明らかにした。
本籍人口と居住人口の関係は、多面的な地域の特性を反映するものとして、地域計画の検討にあたり興味深い指標である。