1996 年 13 巻 p. 721-732
本研究では、東京圏を対象地域とし、利用者の乗降駅及び経路・列車種別の選択を混雑回避を考慮に入れた上で表現でき、しかも実際の鉄道輸送改善施策の効果把握にも耐えうる実用的な需要予測システムの構築を行った。本システムの特徴をまとめると (1) 経路列挙の必要のないネットワーク配分法を用いている、(2) 経路選択において、混雑の影響を考慮してコストをフローディペンデントなものとして扱っている、(3) 複数の列車種別を表現できる、(4) 乗降駅の選択において乗降駅と経路の擬似的な同時選択を表現可能としている、といった点である。さらに、本システムを東京圏における2つの輸送改善施策に適用し、その効果を予測・評価した。