抄録
持続可能な都市づくりの必要性から, 都心磯能の再生や都心居住の促進が求められている. このような政策の促進によってどのような都市景観や建物空間が実現するかを事前に予測しておくことは重要である. 本研究では, 敷地別に建物タイプ (用途および階数) を予測する建物分布予測モデルを開発した. このモデルでは, 建物供給者は, 各敷地における期待利潤を最大化する建物タイプを選択するものと仮定し, これをロジットモデルによって定式化したものである. このモデルの主要変数である期待利潤は, ランダム付け値モデルによって与えられる. また, このモデルを用いた予測方法として, 建物立地分布の再現確率の最大化手法を提案した. 最後に, 名古屋都心地区においてモデルを推定し, 事後テスト (1991~1996) を行ったところ良好な結果が得られた.