抄録
本研究では、都市のコンパクト化を人口密度の高度化として捉え、三次メッシュ単位による都市のコンパクト化施策の有無別全国将来人口分布予測結果を前提として、都市施設のマネジメント費用の変化を分析した。対象として上下水道管路、ガス管路、道路、除雪を取り上げ、それらの維持管理費用の削減効果を明らかにした。試算では都市のコンパクト化により、都市施設維持管理費用が年間最大710億円削減されることがわかった。また、都市のコンパクト化のデメリットとして震災リスクの変化もあわせて検討し、都市のコンパクト化により若干ながら震災リスクが上昇する可能性を示した。