土木計画学研究・論文集
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ドライブレコーダによる交通事故処理時に発生する心理的費用の削減効果
今長 久鹿島 茂小高 正照
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2007 年 24 巻 p. 937-942

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抄録
本研究は, 事故前後の映像や走行情報を記録する装置であるドライブレコーダの設置効果の内, 事故処理時に発生する事故当事者の心理的費用を削減する効果に注目し, その効果を仮想市場法 (CVM) を用いて金銭尺度で評価したものである.心理的費用は, 事故現場から判断した分析が間違っている可能性, 相手の証言を疑うこと, 事故原因がわからないこと, 事故処理の際の議論の負担, 訴訟にまで発展してしまう可能性, として定義し, これら5つの損失額を推計した.さらに, 相対的な損失のウェイトを別途アンケートにより調査し, 5つの項目それぞれの費用も試算した.
50名へのアンケート調査から, 心理的費用は年間1人あたり5000円 (中央値) と推計された.また, ウェイトの結果を用いて日本全体での各項目の損失額を試算した (600-2,400兆円).
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© 社団法人 土木学会
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