抄録
本研究では、荷主企業を対象としたアンケート調査結果をもとに、荷主の国際海上コンテナ貨物の海上輸送経路に対する評価要因を、階層分析法を用いて明らかにすることを目的とした。その結果、北東アジア地域における地方港のダイレクト航路の優位さと、北米・欧州・東南アジア地域における神戸港・大阪港のダイレクト航路の優位さを、定量的に把握することができた。また、「国内輸送コスト」における優位さが、地方港の利用に大きく影響していることがわかった。さらに、北東アジア地域間では、「リードタイムの正確さ」の差別化を図ることが、地方港の利用に最も効果的であることが示唆できた。