2010 年 27 巻 p. 803-810
本稿では2010年の羽田空港滑走路容量拡張の影響に関して,航空会社の機材選択行動も組み込んだbi-level市場モデルを用いて分析を行った.具体的には2010年の需要レベルを用いて,首都圏を中心とした国内航空旅客輸送市場を対象として,羽田発着の幹線5路線と関西以西の主要地方路線3路線を対象とした.結果としては,HNDでの滑走路容量の拡張にしたがって小型化が進行すること,自由競争を前提とした場合,幹線での小型化に伴い,大幅な運航頻度の増加が見込まれるが,その効果は高需要路線に限定されることなどが指摘された.