抄録
本研究の目的は東京都23 区内の通所介護施設(デイサービス)において小学生と利用者の
世代間交流の実態を調査し現状の評価と課題について検討することである。
研究方法は財団法人東京都福祉保健財団が管理するウェブサイトから、第三者評価と事業サ
ービスの公開情報を基に小学校との世代間交流を実践している施設を調査した。さらに、電話
調査で世代間交流の頻度、プログラム内容、実施場所、評価の実施、コーディネーターの有無
等についてデータ収集をした。その結果、東京都23 区内の通所介護施設全体の1,331 件のう
ち66 件が小学生と世代間交流を行っていた。ほとんどの施設は、小学校側からの授業の一環
としての申し出より交流が企画され、年数回の単発でイベント的な世代間交流であった。今後、
継続的な交流への方策が必要とされる。今後の課題として世代間交流がもたらす効果と交流内
容との関連についてさらなる調査を進めたい。