抄録
本研究では、今後の世代間交流プログラムを含む共生教育の実践の一助とすべく、 社会規範尺度(GALLOIS et al. 1999) およびそれを翻訳して作成された孝行行動尺度 (豊島ほか 2011) を参考 に、「青年期前期における敬老志向性尺度」の開発とその検討を行うことを目的とした。 神奈川県横浜市内のA中学校に在籍する生徒190名 (男子88名、女子102名) を調査対象者として自記式の質問紙調査を依頼し、 得られたデータの因子分析 (主因子法 プロマックス回転)を行い、最終的に2因子18項目を採択した。 信頼性を示すクロンバックの係数は、尺度全体でα=.80、下位尺度では「敬老態度」でα=.85、「敬老行動」でα=.64 と、いずれについても一定の信頼性を示した。 また妥当性についても内容的妥当性のほか、基準関連妥当性も一定の水準で確認され、新たに開発した尺度が実際の使用に耐えるものであることを示したといえる。