蛇紋岩の溶解実験を行い,ブルーサイト,カンラン石,輝石の溶解速度定数のpH 依存性を求めた。この溶解速度定数を用いて,カイネティックスモデルにより,1,000m,40℃の蛇紋岩帯水層へCO2 を圧入(PCO2=100 バール) した時の鉱物量と地下水水質の時間的変化を求めた。ブルーサイト,カンラン石,輝石の量は時間と共に減少し,アーチナイトが初期に生成し,その後はマグネサイトの生成と共に減少した。試料A で22 年後,試料B で3 年後に圧入されたCO2 の100% が炭酸塩として固定化された。したがって,蛇紋岩は,CO2 地中貯留に適した母岩といえる。