抄録
近年, FWD測定技術および舗装の弾性係数を求める逆解析技術は急速に発展している. しかし, 測定たわみの誤差および逆解析方法の不安定性が逆解析結果に大きな影響を及ぼすため, 逆解析結果の信頼性と実用性が乏しい. この問題を解決するために, 本研究は, ある弾性孫数を事前情報とする拡張ベイズ法に基づいた逆解析方法の適用性について検討した. 舗装の弾性係数の逆解析には, FWD共通試験における実測データを用いた. 拡張ベイズ法による弾性係数の逆解析結果は, 装置間の変動係数が小さいまた, 3層モデルと4層モデルによる逆解析結果もほぼ等しく, この解析方法の安定性および実用性を確認した. 本研究では, 逆解析における事前情報の影響についても考察した. その結果, 事前情報の変動が逆解析結果に及ぼす影響は小さいことが分かった.