抄録
アスファルトバインダの紫外線に関わる促進劣化試験法“プレス成膜試料によるUV劣化試験”を適用して, 市販のストレートアスファルト及び改質アスファルトII型バインダの劣化挙動を調査した. その結果, 同法が屋外暴露による劣化状態を良く再現する有効な試験法である事が確認された. また紫外線による劣化はアスファルト層の表面付近に限られるものの, その部分の劣化程度は温度及び雰囲気圧力の条件がともに厳しいPAV促進劣化試験よりも苛酷である事が判明した. 更にカーボンブラックの添加は, 劣化の進行に伴う構成成分の比率変動と, 紫外線照射による酸素含有官能基 (カルボニル基) の生成を抑える事ができ, アスファルト材料の耐久性を向上する有効な策と考えられる.