2004 年 9 巻 p. 241-249
新しい舗装材料や構造を導入する場合, 一般に試験施工を実施し, 載荷試験や動態観測結果などから, 舗装地盤の供用性や安定性を判断することが多いが, 時間や費用の制約から, 試験施工の対象とする舗装地盤は限られる. そこで理論的な設計方法が望まれるが, その適用性は実験などから得られたデータによって検証されなければならない. しかしながら, 舗装地盤の挙動を精度よく捉えた実験的研究が不十分と思われる. そこで本研究では, 小型の移動ローラー載荷装置の試作を行い, 粗粒材料を用いた模型地盤を作製して, 移動荷重を受ける模型地盤内の鉛直応力とせん断応力の測定を試みた. また得られた応力から, 模型地盤の密度, 層厚およびアスファルト混合物層などが応力分散に及ぼす影響について基礎的な検討を行なった.