2021 年 24 巻 2 号 p. S8-S9
高脂血症とは血中のコレステロールまたはトリグリセリド(TG)、あるいはその両方が高濃度となる脂質代謝異常である。高TG血症は膵炎との関連性が指摘され、高コレステロール血症は動脈硬化症のリスクになる可能性もあるとされている。高脂血症の治療として、原発疾患があればその治療を開始し、それと並行し「食事療法」を行う。食事療法としては低脂肪食の給餌が基本となる。食事療法に反応が乏しい場合、オメガ3脂肪酸や5-アミノレブリン酸(以下5-ALAとする)などのサプリメントの使用や脂質降下剤の投与などの薬物療法が推奨されている。今回、高コレステロール血症と高TG血症を併発していた1才のチワワに対し、栄養指導として、低脂肪食ならびにモエギイガイ抽出脂質物を用いたことで、高コレステロール血症・高TG血症ともに改善が認められたので、その経過について報告する。