2022 年 25 巻 1 号 p. 1-4
海外では、キャットフードへのサルモネラ属菌混入が原因であるヒトサルモネラ症の発生事例が報告されている。このことから、本邦においてキャットフードへのサルモネラ属菌混入の有無を明らかにするために日本国内で販売されているキャットフードからサルモネラ属菌の検出の有無を調査した。ドライキャットフードは国内産29製品と国外産14製品を供試した。ウェットキャットフードは国内産17製品と国外産47製品を供試した。サルモネラ属菌の検出方法は「愛玩動物用飼料等の検査法(27消技第1051号)」に従った培養法により行った。その結果、サルモネラ属菌は、すべての製品から検出されなかった。このことから、日本におけるキャットフードのサルモネラ属菌混入に関するヒト及びネコの健康被害のリスクは低いと考えられた。