抄録
1994年当時市販されていた10種類のドライキャットフード(国産品7種類,輸入品3種類)についてCa,Mg,Na,K,P,Clおよびメチオニン含量を基にベース・イクセス(BE)を求めた結果,117-532mmol/kgDMの範囲で大きく変動した。次に,それらのフードを成ネコ3頭に対して1日1頭100gを限度に2週間不断給与し,最終5日間の尿pHを測定した結果,3頭平均でも6.74-8.85の範囲で変動し,BE値との間に有意な正の相関が認められた(pH=6.62+0.0031BE;r=0.749;P<0.05).したがって,少なくとも市販品と同様のCP含量30%DM程度のドライキャットフード間では,BE値に基づいて尿pHを比較することが可能と考えられた。