抄録
慢性的な胃の痛みやもたれは,生活の質(QOL)を損ない,社会生産性に大きな影響を与えているが,有症状者は必ずしも医療機関を受診していない。今回われわれは,インターネットを用い20~79 歳の男女に対しディスペプシア症状を有する者(UID)において医療機関受診行動に影響を与える因子の検討した。ディスペプシア症状の強さ,心窩部痛症候群(EPS),食後愁訴症候群(PDS)症状の重複,主症状EPS,不安,抑うつは,医療機関受診行動と有意に相関し,身体的サマリースコア(PCS),精神的サマリスコアー(MCS)と有意に逆相関した。喫煙,BMI,不眠重症度,学歴は影響を与えなかった。多変量解析を行うと心窩部痛症候群(EPS)と食後愁訴症候群(EPS)症状の重複,不安,ディスペプシア症状強度は有意に医療機関受診行動に影響を与えていた。以上より日本人においてディスペプシア症状の強さと重複,不安症状が受診行動に有意な影響を与えていることが明らかとなった。