消化器心身医学
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原著
機能性消化管障害モデルにおけるTh17サイトカインの消化管運動に及ぼす影響
秋穂 裕唯
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2014 年 21 巻 1 号 p. 16-19

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抄録

【目的】急性腸炎後の腸管運動能異常におけるサイトカインの平滑筋運動に及ぼす影響とその細胞内シグナルについて検討。
【方法】急性腸炎はBALB /cマウスに抗CD3抗体を腹腔内投与することにより作製し,胃腸管輸送能と小腸運動を評価。
【結果】抗CD3抗体投与により一過性の腸炎を認めたが,投与後7日目には組織学的な炎症は消失。抗CD3抗体投与により急性期では輸送能は低下,炎症終息期では輸送能は亢進。抗CD3抗体投与によりIL-17は炎症終息期まで発現を認めた。IL-17-/-マウスでは急性期の輸送能低下を認めたが,炎症終息期の輸送能亢進を認めなかった。IL-17の腹腔内投与は輸送能を亢進。IL-17の添加により小腸平滑筋の運動能亢進を認め,平滑筋細胞内でregulator of G protein signaling 4を抑制。
【結論】炎症終息後の腸管運動能亢進には,IL-17が関与する。

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© 2014 消化器心身医学研究会
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