消化器心身医学
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原著
“摂食障害”か?“摂食の障害”か?―中枢性摂食障害の鑑別ポイント―
大沼 徹
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キーワード: 摂食障害, 診断, 表現型
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2014 年 21 巻 1 号 p. 7-11

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抄録
心が不調になると,食欲の低下など“摂食の障害”もよく認められる。その“摂食の障害”という表現型を呈する精神疾患は,いわゆる中枢性摂食障害(神経性食思不振症;アノレキシアネルボーザ)はもちろんのこと,うつ病,躁病,統合失調症など多種多様である。我々精神科医は摂食障害という診断名を聞いた場合,その病態に痩せ願望が著しく強い(ボディーイメージの障害),狭義の中枢性摂食障害を想像する。一方,内科など身体科の先生からの紹介状に“摂食障害疑い”と記載されている場合には,表現型としての“摂食の障害”といった症状を単に意味している場合が多い。ここで我々精神科医が気をつけなくてはならないのは,身体科での検査が終了しその結果異常がなく,“摂食障害疑い”という病名で患者さんが紹介されてきた場合である。もちろん痩せ願望が強い中枢性摂食障害に該当する症例も存在するが,上記のように“摂食の障害”という症状から紹介している場合も多々あり,精神科領域の他の疾患であればまだいいが,我々が経験してきたどの精神疾患とも合致しなければ,そこには依然内科的にまれな疾患が潜んでいる場合もあり,再度身体科と連携・精密検査を行う必要すらある。本項では,“摂食障害”という紹介状の診断名を通して,内科と精神科の連携が非常に大切と考えられた3症例を紹介し,精神科的な最終診断名とその鑑別ポイントを紹介する。
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© 2014 消化器心身医学研究会
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