くすりと糖尿病
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原著論文
病院薬剤師および薬局薬剤師を対象としたインスリン皮下硬結の理解度と指導実態に関する調査
辻本 勉波多江 崇奥貞 智冨田 里佳六車 龍介黒田 泰司恒吉 慶子佐竹 正子増本 憲生
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2022 年 11 巻 2 号 p. 61-71

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抄録

インスリン含有製剤の適正使用のためには医療スタッフによる適切な手技の指導が必要であるが,2020年,インスリン含有製剤の添付文書「重要な基本的注意」にインスリン注射による皮下硬結の注意喚起が記載された.今回,皮下硬結に関する薬剤師の知識・指導方法を把握することを目的とし,糖尿病療養指導士兵庫県連合会に所属する薬剤師を対象にアンケート調査を実施した.質問内容は,皮下硬結に関する知識・指導・予防・患者意識などとした.皮下硬結の知識については,薬局薬剤師よりも病院薬剤師の方が全般的によく知っていた.インスリン注射手技指導では,約半数の薬局薬剤師が患者の注射部位の確認を行っていないことが明らかとなった.インスリン含有製剤の添付文書に皮下硬結に関する注意喚起が追記されたことを知っていると回答したのは,病院薬剤師が21人中11人,薬局薬剤師が24人中7人と少なく,十分に周知されていないことがわかった. 薬剤師は皮下硬結を含めたインスリン自己注射の知識や注射手技のスキルを向上させることにより,患者の安全安心な薬物療法への貢献が期待される.

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