くすりと糖尿病
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総説
時間薬理学と時間栄養学
大戸 茂弘
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2015 年 4 巻 1 号 p. 62-68

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抄録
生体には,体内時計が存在し,種々の生体リズムを制御している.その本体は,視神経が交差する視交叉上核(suprachiasmatic nucleus,SCN)に位置し,時計遺伝子により制御されている.この遺伝子は中枢のみならず末梢組織でも発現しておりローカル時計として機能している.この機構により,薬の効き方が投薬時刻により大きく異なる(時間薬理学:Chronopharmacology).また,医薬品の添付文書および治験計画書などに服薬時刻が明示され,時間を考慮した製剤,すなわち時間制御型drug delivery system(chrono-DDS)や時刻により処方内容を変更した製剤も臨床応用されるに至っている.一方,最近では時間栄養学(Chrono-nutrition)の研究領域が発展してきた.薬物の投薬タイミングと同様に,食物や栄養などの吸収や働きを考えると,栄養の摂取時刻により,栄養の働きが異なる.例えば,同じ食物でも夜間に食べると太りやすく,これはエネルギー代謝に日周リズムがあるためである.また,薬物動態に体内時計が関わるように,栄養の吸収,代謝なども体内時計が関わっている.さらに末梢の体内時計をリセットするには規則正しい食生活リズムが重要である.このような背景から,時間薬理学と時間栄養学について紹介する.
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© 2015 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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